佐世保市内の高級住宅街に居を構えていた徳勝家は、地元でも広く知られた名士の家系でした。家族構成は父親、実母、兄、そして本人の4人家族。幼少期の徳勝もなみは学業成績が優秀で、小学校時代にはスケート競技で国体強化選手に選ばれるなど、文武両道を体現する少女として周囲の羨望を集めていました。
家庭環境は極めて教育熱心であり、実母はPTA活動や市の教育委員を務めるなど地域社会でも人望の厚い人物でした。しかし、家庭内では幼少期から小動物の解剖に執着を示すなど、特異な衝動や共感性の欠如が散見されていました。実母は娘の特異な性質を敏感に察知し、強い愛情と細やかな規律によってその行動を抑制する「絶対的な防波堤」の役割を果たしていたと当時の関係者は証言しています。
徳勝もなみの生い立ちを振り返ると、高い知能指数と活動的な社交性を見せる一方で、他者の感情を読み取ることが極めて困難な発達特性を抱えていました。その歪みを母親の細やかなケアで補うことで家庭の均衡が保たれていましたが、その土台は極めて脆いバランスの上に成り立っていました。