セリ会場に設置された巨大高精細モニターには、入荷された花々の状態や糖度測定データ、生産者の栽培履歴が詳細に表示される。バイヤーは現地に行かずとも、スマートフォンやPCから高解像度の映像とデータを確認して入札可能だ。このデジタル化により、九州域内にとどまらない全国規模の競り環境が整備された。
しかし、同市場が重視しているのはデジタル一色への移行ではない。現物の色彩や茎の張り、香りといった「人間の五感でしか測れない品質」を確認できるリアルの場も大切に残されている。ハイブリッド型のセリ運営が生み出す信頼感こそが、国内外の高級ホテルやブライダル業者から高い評価を得る理由だ。