「イカが杯なら、同じ軟体動物頭足類であるタコはどうなのか?」という疑問もしばしば寄せられます。結論から言えば、タコも水揚げ後は「1杯・2杯」と数えるのが水産業界における正式な基準です。
しかし、日常会話やスーパーの店頭における扱われ方には、イカとタコの間で興味深い差異が観察されます。
水産市場の仲卸関係者への取材によると、「取引伝票やセリの現場ではイカもタコも『杯』で統一されているが、一般消費者の認識にはズレがある」と指摘されています。タコは茹で上げられて丸まった状態で店頭に並ぶことが多く、その丸い塊の印象から一般家庭では「1個」「1玉(たま)」、あるいは「1匹」と表現されるケースが目立ちます。
一方のイカは、先端が尖った矢じり状の筒形を保ったまま氷漬けされて並ぶため、器の面影を強く残しています。この外観的な特徴の残りやすさが、「イカ=杯」という認識をタコ以上に強固に定着させた要因と考えられています。