「真冬のロンドンのブティックで『暖かそうなone-pieceを探している』と言ったら、怪訝な顔をされながらバックヤードからリゾート用のワンピース水着を出された」
大手アパレル商社で長年海外バイイングを担当してきた関係者は、日本人バイヤーの新人研修で必ずこのエピソードを語るといいます。結論から申し上げますと、服のワンピースの英語表現として最も自然かつ普遍的な単語は「dress」です。
英語における「one-piece」は、本来「1つのパーツから成る」「上下が一続きになった」という状態を表す形容詞(compound adjective)に過ぎません。名詞として単体で「a one-piece」と発音した場合、省略表現として定着しているのは「one-piece swimsuit(競泳用やワンピース型の水着)」、あるいは乳幼児の「つなぎ(one-piece pajamas)」です。
これに対し、英語圏のネイティブスピーカーにとって、女性用の上下が一続きになった衣服は、綿素材のカジュアルな部屋着から冠婚葬祭のフォーマルウェアに至るまで、すべて包括的に「dress」と呼ばれます。この根本的な認知のズレこそが、和製英語ワンピースの落とし穴の正体です。