千駄ヶ谷と原宿の結節点、アパレル事務所やクリエイターの拠点が点在する千駄ヶ谷3丁目に位置したTHINK OF THINGSは、単なる文房具店でも、単なるおしゃれカフェでもありませんでした。
店内に足を踏み入れると、無機質でインダストリアルなスチール什器の上に、コクヨのロングセラーを再解釈した「オリジナル文具」が整然と並んでいました。代表的なアイテムが、1959年の発売以来測量士に愛されてきた「測量野帳」をミニマルなモノトーンや別注カラーで仕立て直したモデルです。ほかにも、書類を留める工業用クリップの真鍮仕様や、無塗装のクラフトファイルボックスなど、実用性とデザイン美を極限まで高めたプロダクト群は、多くの道具好きを魅了しました。
そしてもうひとつの主役が、三軒茶屋発の有名ロースター「OBSCURA COFFEE ROASTERS(オブスキュラ コーヒー ロースターズ)」が監修したカフェメニューです。深煎りから浅煎りまで豆の個性を引き出したドリップコーヒーやカフェラテはもちろん、看板メニューだった「コッペパンサンド」は今も語り草となっています。
注文を受けてからリベイクされるコッペパンは、定番のあんフレンチやたまごサンド、ボリュームのあるカツサンドまで幅広いラインナップを誇り、400円〜700円前後の手頃な価格帯で提供されていました。文具を選びながら、淹れたてのコーヒーと香ばしいパンを楽しむ――この一連の動線が、クリエイティブな刺激を求める人々の日常に深く溶け込んでいたのです。