『子連れ狼』の根底に流れる圧倒的なエネルギーの源泉は、原作を手掛けた小池一夫の鋭利な言葉と、小島剛夕による躍動感あふれる墨絵の筆致にある。二人の鬼才がタッグを組んで生み出した「劇画」という新しい表現様式は、単なるマンガの枠を超え、世界中のアートや映画産業に革命的な地殻変動をもたらした。
フランク・ミラーやクエンティン・タランティーノをはじめとする海外のトップクリエイターたちが、こぞって本作からの影響を公言しているのは有名だ。コマ割りそのものが絵コンテのように洗練されており、セリフを極限まで削ぎ落とした沈黙の演出は、後の世界のアクション映画のカメラワークや構図に決定的な影響を与えた。劇画という日本独自の表現が、世界のクリエイターのシネマティックな感性を刺激し続けている。