「法的には絶滅危惧種ではない」とはいえ、個体数の激減ぶりは客観的な統計データがはっきりと物語っている。立教大学の研究チームが発表した歴史的データや、日本野鳥の会が継続して実施しているモニタリング調査によると、日本のスズメの総数は1960年代から1970年代のピーク時と比較して、およそ半世紀で50%から最大80%も減少したと推計されている。
かつて日本全国で1億羽前後が生息していたとされるスズメだが、近年の推計では約1,800万羽前後にまで落ち込んでいるとされる。減少のペースは年平均で見ても極めて急峻であり、単なる自然の年変動の枠を完全に逸脱している。
ヨーロッパでも同様に、同属のイエスズメがロンドンなどの主要都市で1990年代以降に8割以上激減した歴史がある。英国ではすでにイエスズメが保全上の最重要鳥類(レッドリスト)に指定されており、日本のスズメが辿っている現状は、まさにかつての欧州都市部で起きた異変の後を追う危険な兆候と指摘されている。