面積が正しい世界地図の衝撃事実!歪みの真相と日本の本当の大きさ

面積が正しい世界地図の衝撃事実!歪みの真相と日本の本当の大きさ

面積が正しい世界地図の衝撃事実!歪みの真相と日本の本当の大きさの概要と注目ポイントをわかりやすく整理しました。

世界地図といえば、誰もが真っ先に思い浮かべるのが縦横の経緯線が直角に交わる長方形の図法です。これは1569年にフランドル(現ベルギー)の地理学者ゲラルドゥス・メルカトルが考案した「メルカトル図法(正角円筒図法)」と呼ばれるもの。この図法には、「緯度が高くなればなるほど、面積が指数関数的に引き伸ばされる」という致命的な幾何学的特性が存在します。

赤道付近ではほぼ実寸通りの縮尺が保たれますが、緯度60度付近では長さが2倍、面積にして4倍に拡大されます。さらに緯度80度を超えると、長さはほぼ6倍、面積は実に36倍以上に膨れ上がります。つまり、極点に近づくほど肥大化し、極点そのものは無限大に発散してしまうため地図上に描くことすらできません。私たちが日常的に見ていたメルカトル図法の上部は、巨大化の魔法がかけられた世界だったのです。

では、これほど面積が歪んでいるにもかかわらず、なぜ学校教育の現場や一般的なポスターとして採用され続けてきたのでしょうか。その理由は、大航海時代から続く「等角航路」の圧倒的な利便性にあります。メルカトル図法上の任意の2点を直線で結ぶと、その直線が示す方位角(コンパスの針が指す方角)を常に一定に保ったまま航行すれば、確実に目的地へ到達できます。航海士にとっては、面積が正しいことよりも「船が遭難せずに目的地へ着くこと」が生死を分ける絶対条件でした。

この海図としての圧倒的な実用性がやがて19世紀以降の近代教育制度にも持ち込まれ、印刷やレイアウトがしやすい「四角い地図」として世界中に普及したのです。さらに歴史学者や社会地理学者からは、ヨーロッパや北米といった高緯度に位置する先進列強国が強大に見える視覚効果が、無意識のうちに帝国主義的な世界観の補強に利用されたという構造的指摘もなされています。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。