世田谷パブリックシアター(主劇場)の最大の特徴は、古典的な劇場の親密さと最新の舞台機構を融合させた可変型の空間設計にあります。客席規模は基本形状で約600席、最大可変時で約700席と、中劇場ならではの「演者の細やかな表情や呼吸音まで届く距離感」が高く評価されています。同施設内には225席の実験的劇場「シアタートラム」も併設されていますが、主劇場はプロセニアム形式(額縁舞台)とオープン形式(張り出し舞台)の2つのパターンに姿を変える柔軟性を備えています。
舞台を包み込むように1階席、2階席、3階席が立体的に配置された馬蹄形バルコニー構造を採用しており、空間容積に対して客席が非常にコンパクトにまとまっています。しかし、この立体的な美しさこそが、座席選びにおける「死角」や「高低差による視界の制限」を生む要因にもなっています。
なお、2026年シーズンにおいて最も留意すべきトピックは、2026年4月1日から2027年3月31日にかけて実施される主劇場の全館改修工事です。長年親しまれてきた設備のリフレッシュが図られる予定ですが、工事直前の公演ラッシュや再開後のプレミアム公演では、通常以上に座席選定の成否が観劇の満足度を左右することになります。