怪人化の進行により、自身の理性と時間が残りわずかであると悟ったアマイマスクは、自分が消え去った後の世界を託す「完璧な光となるヒーロー」を探し求めていました。その中で見出したのが、規格外の強さを持ちながら名声に一切執着しないサイタマの存在でした。
アマイマスクはサイタマに目をつけ、彼をプロデュースして自らに代わる「絶対的象徴」へ押し上げようと接触を図ります。しかし、運命の歯車は遊園地に現れた怪人「ピエロ(ペスカス)」の襲来によって急転します。観客の注目を浴びるほど強大化するピエロを前に、人間の姿のままでは市民を守り切れないと悟ったアマイマスクは、これまで命懸けで守り抜いてきた「美しき偶像」を捨てる決断を下します。
大衆の眼前で異形の怪人形態へと変貌し、圧倒的な力でピエロを粉砕したアマイマスク。しかし、彼を待っていたのは歓声ではなく、直前まで彼を崇拝していた市民たちからの罵声と恐怖、そして投石でした。絶望と孤独の中に立ち尽くす彼のもとに現れたのが、サイタマでした。
サイタマは周囲の騒音を一蹴し、怪人の姿となったアマイマスクに対して「お前、かっこいいじゃん」と飾らない言葉を投げかけ、上着を被せてその場から連れ去りました。外見の美醜や世間の評価に一切左右されず、自らを犠牲にして人々を守った「行動の美しさ」をサイタマだけが正当に認めたこの瞬間、アマイマスクの長年の呪縛は解かれ、真の意味で救済されたのです。