ラップの芯を手に取ったとき、ずっしりとした重みと硬さに驚いた経験は誰にでもあるはずです。一般的なトイレットペーパーの芯が手で容易に握り潰せるのに対し、家庭用ラップの芯は両手で強く押し込んでもびくともしません。これには明確な製造上の理由が存在します。
家庭用ラップは、長さ20メートルから50メートルにも及ぶ極薄ポリ塩化ビニリデンやポリエチレンフィルムが、製造時に強いテンション(張力)をかけられて巻き取られています。巻き取り圧力に耐えきれず芯がわずかでも歪むと、引き出す際にフィルム同士が密着して破断や目詰まりを起こすためです。そのため紙管メーカー各社は、クラフト紙を多層に重ねて強力な接着剤でスパイラル状に圧縮成形する特殊製法を採用しています。
編集部が実施した簡易耐荷重テストでも、大手メーカー製ラップの芯(長さ30cm規格)は横置き状態で約40〜50kgの静止加重に耐える強度が確認されました。この「頑丈さ」「均一な筒状」「加工しやすい紙素材」という三拍子が揃った資材が、家庭内で日常的に廃棄されている事実は、家計管理の観点からも見逃せません。