完成から歳月が経ち、Jリーグの公式戦や陸上日本選手権、音楽フェスなどで実際にスタジアムを訪れる観客が増えたことで、現場ならではの生々しい評価が定着してきました。特に話題となるのが約6万8000席の収容人数(キャパシティ)を誇るスタンドの視認性と、独特の空調環境です。
スタンドは1層から3層までのすり鉢状に設計されており、上層へ行くほど傾斜が急になります。
- 1層スタンド(傾斜約20度):ピッチが間近で臨場感がある一方、陸上トラックを挟むため、ゴール裏付近からは対面サイドの細かな攻防が見えにくいという声があります。
- 2層スタンド(傾斜約29度):全体を俯瞰しやすく、戦術的な動きや空間の広がりを最もバランスよく捉えられるエリアと評されています。
- 3層スタンド(傾斜約34度):かなりの急勾配となっており、高所恐怖症の来場者が足のすくみを訴える場面も見受けられますが、前の観客の頭が視界を遮りにくく、上空からピッチ全体を一望できるダイナミックな視界が確保されています。
また、座席シートに施されたアースカラー(白・黄緑・茶・深緑)のモザイクグラデーションは、観客席の空席を目立たなくさせる心理的・視覚的効果を発揮しています。SNS上では「中継で見ると満員に見える巧妙な配色」と話題になりました。
一方で、論争の種となり続けているのが空調・冷暖房設備です。コスト削減のために開閉式屋根と大型密閉型エアコンの導入が見送られた結果、スタジアム内は「自然通風」と天井に設置された「気流創出ファン」およびゲート付近のミスト冷却に依存しています。風が抜ける春・秋は快適そのものですが、猛暑日の日中に無風状態が続くとスタンド上層部に熱気が滞留し、厳冬期のナイトゲームでは冷え込みがダイレクトに観客を襲います。現地の利用者からは「季節に応じた自己防衛の服装が必須」という指摘が定着しています。