街を歩いていて目にする飲食店営業中看板や、ドアノブに掛けられた飲食店営業中プレート。これらが表に出ていながら扉に鍵が掛かっていたり、入店を断られたりした際、「客を小馬鹿にしているのか」と憤慨する声を耳にします。しかし、ここにも一般ユーザーには知られていない物理的な盲点が存在します。
多くの飲食店では、ランチ営業からディナー営業への切り替え、あるいは閉店時の片付け作業中、業者やスタッフの出入りのために看板を出しっぱなしにしてしまうケースが後を絶ちません。悪質なケースではなく、単純に片付け作業の動線上、看板の撤去が一番最後になるという現場の作業順序によるものです。
さらに見逃せないのが、「深夜飲食店営業中」の法規制に伴うトラブルです。深夜0時以降に酒類を提供する店舗は、風俗営業法に基づく「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が公安委員会に義務付けられています。この届出がない店舗、または深夜帯の営業許可区分が異なる店舗では、どんなにお客が求めていても深夜0時きっかりに酒類のラストオーダーを打ち切らざるを得ません。「まだ電気がついているから飲ませてほしい」と詰め寄る客と、「営業停止処分になるため絶対に案内できない」店舗側との間で生じるトラブルは、法規上の制約が周知されていないことによる典型的な摩擦です。