TBSテレビの看板枠である日曜劇場で放送された『マイファミリー』は、単なる誘拐サスペンスの枠に収まらない異様な推進力を持っていた。主演の二宮和也が見せたのは、完璧な父親像ではない。娘を奪われ、狼狽し、感情を剥き出しにしながらも冷静に犯人と対峙する生々しい人間味だ。多部未華子との阿吽の呼吸が生み出す緊迫感は、画面越しに息を呑むほどの重圧を放っていた。
演出面でも、第1話から真相に迫る怒涛の展開を配置し、中だるみを一切許さない構成を採用。毎週日曜の夜、放送直後からネット上で犯人予想が過熱する現象は、かつてのテレビドラマが持っていた「翌日の共通の話題」としての機能を完璧に蘇らせた。二宮和也という稀代の表現者と日曜劇場の盤石な制作ノウハウが掛け合わさった、近年のテレビ史に残る金字塔だ。