皇族に対する敬称の使い方を把握する上で、避けて通れないのが「陛下(へいか)」と「殿下(でんか)」の法的な使い分けです。この差異は感覚的なものではなく、国の法律である皇室典範第17条によって厳格に規定されています。
「陛下」の語源は、宮殿の階段(陛)の下に侍従が控え、その従者を通じて王・皇帝に奏上したという古代中国の礼法に由来します。直接呼びかけることすら畏れ多い存在に対する最上級の尊称であり、日本においては国家の象徴である天皇、およびそれに準ずるごく限られた立場の方にのみ許されてきました。一方の「殿下」は宮殿の階段を下りた殿舎に座す高貴な方への敬称であり、皇位を継承する皇族や宮家の方々に適用されます。
秋篠宮さまは皇位継承順位第1位の「皇嗣(こうし)」という特別な重責にあられますが、法的な身位は親王であり、敬称は「殿下」となります。同様に、天皇皇后両陛下の長女であられる愛子さまも内親王であるため、正式な敬称は「殿下」です。天皇直系のお子さまであっても「陛下」と呼ばれることはありません。