西城さんの過酷な闘病生活を語る上で、2001年に結婚した18歳年下の妻・木本美紀さんの存在を欠くことはできません。美紀さんは、まだ幼かった3人の子どもたちを育てながら、夫の健康管理、食事療法、リハビリの付き添いまでを一手に引き受け、献身的に支え続けました。
美紀夫人が後に上梓した手記『蒼い空へ―夫・西城秀樹との18年』には、自宅で倒れた緊迫の夜から病院での最期の時間までが克明に綴られています。救急搬送後、意識が混濁する西城さんに対し、家族は毎日交代で病室に通い詰め、声をかけ、手足をさすり続けました。
「最期の言葉」として明確に遺された会話はありません。4月25日に倒れた瞬間から意識が回復しなかったためです。しかし、美紀夫人は病室で「秀樹さん、ここにいるよ」「子どもたちもみんな頑張っているよ」と耳元で語りかけた際、西城さんの目から一筋の涙がこぼれ落ち、握りしめた手にわずかな力が込められた瞬間を目撃しています。言葉はなくとも、家族の呼びかけに魂で応えようとしたその反応こそが、西城さんが伝えた「沈黙のラストメッセージ」でした。
現在、次男である木本慎之介さんは、父譲りの甘いマスクと豊かな表現力を武器に音楽活動や芸能活動を本格化させています。父の背中を追う慎之介さんの姿に、往年のファンは西城さんの遺伝子が確かに受け継がれていることを実感し、温かい声援を送り続けています。