みやぞんが自身の出自をこれほどあっけらかんと開示できた根底には、彼が育った東京都足立区の下町情緒と、桁外れに前向きな母親の教育方針が存在します。
後にテレビ番組やインタビュー、自著で明かされた家族構成は非常に特徴的です。母子家庭で育ったみやぞんは5人姉弟の末っ子(4人の姉を持つ長男)ですが、姉たちとは父親が異なるなど、極めて複雑な家庭環境にありました。幼少期には、近所に住む親しい男性をずっと「近所のおじさん」だと思って懐いていたところ、中学生のときに母親から「あのおじさんが本当のお父さんだよ」と突然明かされたという逸話も存在します。
一般的な家庭観から見れば波乱万丈とも言える境遇ですが、家庭内に暗い影が落ちることはありませんでした。元芸者でスナックを営みながら女手一つで5人の子どもを育て上げた母親は、常に「人と比べるな」「楽しく生きなさい」「笑顔でいれば何とかなる」と教え込み、どんな逆境もユーモアで包み込む温かい空気を家庭内に作り出していました。
自分が韓国籍であったことを知った際も、母親を責めたり自らの運命を悲観したりすることは一切ありませんでした。「知らなかったものは仕方がない」「免許を取る書類が1枚増えただけ」と捉える柔軟さは、まさにこの母親の深い愛情と奔放な教育から授かった天性のメンタリティでした。