本作の原点であるラッツ&スターの「め組のひと」は、1983年4月1日にリリースされたグループの代表作です。作詞を麻生香太郎、作曲を井上大輔が手掛け、資生堂の夏期キャンペーンソングとしてオリコン週間シングルチャート1位を獲得、累計約80万枚を超える大ヒットを記録しました。ドゥーワップやソウルミュージックの骨太なグルーヴを下敷きに、鈴木雅之の艶やかなヴォーカルと粋な江戸前の言葉遊びを取り入れた「大人の夏のアンセム」として日本中を席巻しました。
それから27年の時を経た2010年10月13日、倖田來未は自身のデビュー10周年を記念したカバーアルバム『ETERNITY 〜Love & Songs〜』をリリースします。同アルバムの構想段階において、彼女自身が幼少期から親しみ、リスペクトを抱き続けていた名曲群の中から選ばれた1曲が「め組のひと」でした。
音楽プロデューサー陣による再解釈では、原曲の持つソウルフルなミドルテンポをBPM130前後のエレクトロ・ポップ/ダンスビートへと大胆にリアレンジ。ベースラインをファットなシンセベースへと移行させ、倖田來未特有のハスキーかつパンチのあるヴォーカリゼーションを前面に押し出しました。歌詞の意味に込められた「小粋で妖艶な女性像」を、現代的なアグレッシブかつセクシーな女性像へとアップデートした点に、このカバーの革新性がありました。