健次郎を巡るドラマ展開は、中盤から終盤にかけて凄惨を極めました。特に視聴者の記憶に深く刻まれているのが、第18話〜第19話にかけて描かれた「校舎のガラス割り事件」と、それに続く第20話の衝撃的な家庭崩壊劇です。
自らの支配力が揺らぎ始めた健次郎は、他校の不良やクラスメイトを扇動し、深夜の桜中学で大量の窓ガラスを破壊する事件を引き起こします。警察の捜査の手が伸びる中、追いつめられた健次郎は自宅へ逃げ帰りますが、そこで待っていたのは、息子の非行に発狂した実の母親(木野花)でした。母親から包丁で刺され、重傷を負って血まみれで病院へ搬送されるという展開は、金曜夜8時のゴールデンタイムにおいて日本中に激震を走らせました。
しかし、物語の真髄はここからでした。第22話から最終回(第23話)にかけて、病室や家庭裁判所の審判の場で、金八先生は傷ついた健次郎の魂と一対一で向き合います。金八先生が涙ながらに放った「健次郎、お前は一人じゃない」「腐ったミカンなんかにさせない」という渾身の叫びを受け止め、健次郎がそれまでの冷徹な仮面を剥ぎ取って子供のように号泣するシーンは、シリーズ屈指の感動的な結末として今なお語り継がれています。