テレビやラジオから姿を消したことで、ネット掲示板やSNS上では「井上陽水 引退説の真相はどうなのか」「重い病気で療養中なのではないか」といった臆測が飛び交っています。この疑惑について、業界内の取材記録や公式発表を突き合わせると、いくつかの明確な事実が浮かび上がってきます。
まず井上陽水 病気の噂についてですが、現在までに病院への長期入院や深刻な疾患を患っているといった公式な発表は一切ありません。芸能関係者や音楽レーベル筋の証言によると、「持病による緊急事態などは起きておらず、年齢相応の衰えはあるものの至って健康に過ごしている」と伝えられています。定期的なメディカルチェックを受けつつ、穏やかな日常を守っているのが実態です。
では、なぜあれほど精力的に行っていたステージから離れてしまったのでしょうか。発端は2020年初頭からの世界的なパンデミックでした。2019年にデビュー50周年の大規模な全国ツアーを完走した後、世の中がライブ活動の自粛を余儀なくされた際、陽水本人が「無理に配信ライブや慣れない形態で歌う必要はない」と判断したとされます。元来、気分が乗らないときは何年も制作を休止するマイペースな気質の持ち主です。世間の喧騒から距離を置き、自宅で読書や散歩を楽しむ隠遁生活の心地よさに馴染んだことが、長期休止の直接的な引き金と言えます。
また「引退宣言」をあえて出さない点も極めて陽水らしい選択です。同年代の吉田拓郎のように「これで最後のアルバム、最後の出演」と明確な幕引きを宣言する美学がある一方で、井上陽水は「辞めると宣言するのも大げさで気恥ずかしい」という飄々とした人生観を持っています。引退を公式に認めたわけではなく、本人の琴線に触れる企画や歌いたい衝動が湧けば、いつでもふらりと戻ってこられる余白を残している状態なのです。