本作の言葉選びを分析すると、かつて2010年代のボーカロイド文化を牽引した「ダークポップ」の系譜を感じずにはいられない。同音異義語を用いたトリッキーなライムや、仏教用語を思わせる退廃的な単語のチョイスは、耳に残るリズム感を生み出すと同時に、テキストとしての読み応えも抜群だ。ただ聴き流すだけでは気付けない、文字で読んだときに初めて成立するダブルミーニングが随所に隠されている。
ネット上では、歌詞カードの漢字表記と歌唱時の発音のズレを指摘する声も多い。例えば「依存」と書いて「あい」と読ませるような、古典的でありながらも破壊力のあるギミックが、考察欲を刺激してやまないのだ。