「オーシャンズ金子」の代名詞といえば、息をのむような絶景写真と、その裏にある過酷極まりない撮影現場のギャップでした。ダイビングのライセンスを持つ金子貴俊さんですが、番組から課されるミッションはプロの水中カメラマンですら足をすくませる過酷なものばかりでした。
特に視聴者の間で伝説の「神回」として語り継がれているのが、ドミニカ国でのマッコウクジラ撮影や、沖縄の激流ポイントで乱舞するマンタを捉えたロケです。特番インタビューや回顧録の中で金子さん本人が明かしたエピソードは、まさに戦慄を覚える内容でした。外洋の猛烈な潮流に流されそうになり、「もしこのまま沖へ流されたら二度と生きて戻れない」と直感した金子さんは、万が一の事態に備えてスタッフのカメラに向かい、家族へ向けた「遺言ビデオ」を撮影していたという事実を告白し、スタジオの共演者を騒然とさせました。
華やかなテレビ画面の裏側で、命を危険に晒しながら奇跡の一瞬を追い続けるプレッシャーは想像を絶するものがありました。バラエティの枠を超えた真摯なダイビングスキルと、恐怖に打ち震えながらも海へ飛び込む責任感こそが、オーシャンズ金子が長年にわたって視聴者から熱狂的な支持を集めた最大の理由です。