かつては運動会のプログラムで当たり前のように見られたサボテンですが、日本スポーツ振興センター(JSC)が公表してきた学校事故統計データや、教育委員会による安全通達などを契機に、全国の小中学校で急速に姿を消すこととなりました。
その決定的な理由は、サボテンが内包する「特異な落下軌道と頭部・頚椎損傷リスク」にあります。巨大ピラミッドのような多人数技に比べて高さ自体は2メートル前後に収まるものの、サボテンは「土台の肩の上に直立する」という極めて不安定な二層構造を持ちます。バランスを崩した際、乗り手は受身を取る間もなく後頭部から地面へ一直線に落下するケースが多く、硬い校庭の土の上に頭部を強打して脳振盪や頚椎捻挫、骨折などの重傷を負う事故事例が多数報告されました。
また、土台側にとっても、真上から不意に全体重がかかることで首が過伸展したり、腰椎を痛めたりする障害リスクが医学的に指摘されています。こうしたエビデンスの蓄積に伴い、文部科学省や各自治体教育委員会が「危険度の高い組体操技の原則休止または見直し」を打ち出し、現場判断でプログラムから除外される流れが定着しました。