「髪を綺麗に保つためには、とにかく頻繁に美容室へ行ってプロにケアしてもらうべきだ」という言説は、業界における代表的な誤解のひとつです。過度な頻度での施術は、時として髪に対して逆効果をもたらします。
まず警戒すべきは、薬剤履歴の過剰な複雑化です。毎月のようにフルカラーを繰り返したり、短期間でパーマや縮毛矯正を重ねたりすると、毛髪内部のコルテックス(タンパク質)が流出し、多孔性毛(ポーラスヘア)と呼ばれるスカスカな状態に陥ります。いくら高価なサロントリートメントを塗布しても、内部に成分を留める土台が破壊されているため、数日で栄養が流出してしまう悪循環に陥るのです。
さらに見逃せないのが、「毎月サロンに通っているから大丈夫」という過信から生じるホームケアの手抜きです。年間365日のうち、サロンでプロがケアできるのは多くても10回程度にすぎません。残る355日の自宅でのシャンプー、ドライヤーの熱処理、紫外線対策のクオリティが低ければ、どれほど高頻度でサロンへ通っても美髪は完成しません。「頻度を増やすこと」よりも「前回の施術クオリティを自宅でいかに長く延命させるか」に視点を切り替えることが、髪質向上への真の近道です。