溝は生きているものの、サビや汚れで固着してびくともしない場合は、力任せに回すのではなく「化学」と「衝撃」の力を借ります。
基本となるのが、錆びたネジの潤滑油スプレーの塗布です。『KURE 5-56』や『ワコーズ ラスペネ』に代表される低粘度の浸透防錆潤滑剤は、毛細管現象によってネジ山のミクロン単位の隙間へ浸透します。ここで重要な現場のノウハウは、スプレー直後に回そうとせず、最低でも5分〜15分間放置して浸透を待つことです。固着がひどい屋外のフェンスや自転車のボルトなどは、スプレー後に軽くプラスチックハンマー等で振動を与えると浸透スピードが加速します。
固着を物理的に破壊するアプローチとして有効なのが、貫通ドライバーで叩いて回す方法です。グリップエンドまで金属軸が貫通しているドライバーをネジ溝に正確にあてがい、後端を金槌(ハンマー)でコツンと数回垂直に叩きます。打撃のショックによってネジ山に生じた微小なサビの結合がクラック(亀裂)を起こし、一気に緩みやすくなります。
さらに強力な手段が、インパクトドライバーによる固着ネジ解除です。機械式の手動ショックドライバー(アタックドライバー)は、ハンマーで叩いた瞬間、下向きの強力な衝撃力と同時に「左回転方向への回転力」へと内部機構で自動変換します。カムアウトを完全に防ぎながら強大なトルクを瞬時に叩き込むため、バイク整備や機械メンテナンスの現場では固着解除の決定打として重宝されています。