トップスタジオが競い合うように彼の腕を求める理由は明白だ。MAPPAの野心的なプロジェクトやA-1 Picturesが誇る美麗な大作シリーズにおいて、後藤栄治がもたらす画面の引き締まりは他と一線を画している。
現場で求められるのは、単に絵を描くことだけではない。タイトな制作スケジュールのなかで、演出の意図を正確に汲み取り、原画陣の個性を活かしつつ作品全体のトーンを均一に保つ作画監督としての統率力だ。制作デスクやチーフディレクターたちが口を揃えて「彼が入るだけでカットの説得力が跳ね上がる」と証言する背景には、現場の過酷なプレッシャーを受け止め切る職人としての強靱な精神がある。