カフェインが体内に取り込まれると、腎臓の尿細管において水分の再吸収を促す「アデノシン」という物質の働きを一時的にブロックします。これによって尿量が増加するのが、いわゆる利尿作用の根本的なメカニズムです。
ここで重要な要素となるのが、カフェインに対する人体の「耐性」です。普段からコーヒーや紅茶を嗜む人の体内では、受容体の適応が進み、カフェインによる利尿反応が大幅に減弱します。日常的に1日数杯のコーヒーを飲んでいる人であれば、水と同じ感覚で摂取しても急激な体液喪失を起こす心配はほぼありません。
一方で、普段まったくカフェインを口にしない人が突発的に濃いエスプレッソを大量に飲んだ場合や、一度にカフェイン300mg以上(ドリップコーヒー約3杯分に相当)を一気飲みした場合には、一時的な尿量の急増が見られることがあります。体質や日常の摂取習慣によって、利尿作用の現れ方には明確な個人差が存在します。