なぜ、一県のトップに対してこれほど厳しい退陣要求が巻き起こったのか。その火種となったのは、長年にわたり繰り返された一連の発言騒動だ。新規採用職員への訓示で「野菜を売ったり牛の世話をしたりするのとは違う」といった職業差別とも受け取れる趣旨を口にしたことが決定打となり、世論の批判はピークに達した。
川勝平太前知事は学術的な知見を自負する発言スタイルが特徴的であったが、それが度々「上から目線」や地域・職種への差別意識として捉えられた。発言の真意として「各職種の重要性を説く文脈だった」と釈明がなされることもあったが、度重なる物議に有権者の忍耐は限界を迎えていた。結果として、「辞めろ」という声は個人的な批判を超え、知事の資質そのものを問う社会現象へと変貌を遂げたのだ。