眼科で行われる「赤と緑」の検査は、レッドグリーンテスト(二色テスト)またはデュオクロームテストと呼ばれる精密な自覚的屈折検査です。この検査の目的は、単に視力(1.0や1.2など)を測定することではなく、「装用しているレンズの度数が強すぎず、弱すぎず、網膜の正しい位置にピントが結ばれているか」を検証することにあります。
人間の眼球はカメラのレンズと同じ光学系ですが、光の波長によって屈折率(曲がり具合)が異なる「色収差(しきしゅうさ)」という物理現象を持っています。光は波長が短い色ほど強く屈折し手前で焦点を結び、波長が長い色ほど曲がりにくく奥で焦点を結ぶ性質があります。
- 波長が短い「緑の光」(約535nm):目の中で大きく屈折し、網膜より手前で焦点を結びやすい。
- 波長が長い「赤の光」(約620nm):目の中で曲がりにくく、網膜より奥で焦点を結びやすい。
視力検査では、この赤と緑の中間にある「黄色(約570nm)」の光が網膜の真上にピントを結ぶ状態を完全な度数(完全補正)と定義しています。黄色が網膜上に綺麗に乗っていれば、赤と緑の焦点は網膜を挟んで等距離の前後に位置するため、「赤の指標も緑の指標も同じ濃さ・はっきりさ」で見える仕組みになっています。