ミナ ペルホネンのクリエイションは、衣服の枠組みを軽やかに超えて住空間全体へと広がっています。「生活のなかに美を見出す」という思想は、布地を裁断する際に出る端切れ(ハギレ)の扱いにも如実に表れています。
服づくりで生じたハギレを廃棄せず、「ピース(piece,)」と呼ばれるパッチワーク作品へと昇華させる試みは、ブランド初期から続けられてきました。直営店や公式オンラインストアで不定期に販売されるハギレセットは、ファンによる多様なハンドメイド文化を育んでいます。
SNS上では、ハギレを用いたくるみボタン、ファブリックパネル、コースター、ブックカバーなどの製作例が多数共有されており、「作り手の創作意欲を刺激する素材」として愛されています。わずか数センチの布片であっても、職人の手仕事と糸の密度が宿っているため、額装するだけで空間を彩るアートになります。
また、インテリアファブリック「dop(ドップ)」は、使い込むことで表面の糸が擦り減り、裏面の異なる色が徐々に現れる二重織りの生地です。「劣化」を「愛着の深化」へと転換させるこの仕掛けは、名作家具の張り地として国内外のインテリアファクトリーから極めて高い評価を得ています。