ヘアケアの現場を取材して見えてくるのは、SNSが助長する「完璧な艶髪への執着」と、それに付け込むコンプレックスビジネスの構造です。毛先が少し広がっただけで「私の髪は傷んでいる」と過剰に思い詰め、次から次へと高額な髪質改善メニューに課金し続ける「サロントリートメント依存」に陥るユーザーが急増しています。
ここで重要なのは、美容師の提案を盲目的に受け入れるのではなく、自らの髪に対する「心理的バウンダリー(健全な境界線)」を確立することです。施術を受ける前に、客観的な診断基準に基づいて自分の立ち位置を見極めなければなりません。
【縮毛矯正を選ぶべき人の条件】
・雨の日や湿気で髪が大きくうねり、アイロンで伸ばしても数時間で元に戻る人。
・生まれつきの天然パーマ、毛量が多く広がりを物理的にボリュームダウンさせたい人。
・毎朝のストレートアイロンにかける時間をゼロにし、年間を通して安定した直毛を維持したい人。
【髪質改善(酸熱・補修系)を選ぶべき人の条件】
・うねりはそれほど強くないが、加齢やカラーによるパサつき、チリつきで髪の表面がホワホワする人。
・ブリーチやハイライトを繰り返しており、縮毛矯正をかければ断毛する危険性がある人。
・ハリやコシが失われ、髪に弾力とシルクのようなツヤを一時的に取り戻したい人。
【どちらも受けるべきではない(慎重になるべき)人の条件】
・濡れた状態で毛先を引っ張るとゴムのようにビヨンドと伸びる、完全に体力を失った重度ビビリ毛の人(まずは毛先をカットし、ホームケアでの補修が最優先)。
・担当美容師が施術履歴(過去数年のブリーチ、黒染め、パーマ歴)を細かくヒアリングせず、即座に施術に入ろうとする場合。