志尊淳が主役に選ばれたオーディションには、当時の彼の並外れたハングリー精神が色濃く反映されています。当時のインタビューや関係者の証言によると、事務所に所属して間もない志尊は「絶対にこのチャンスを逃せない」という強い覚悟で選考に臨んでいました。
審査の場では、審査員の目をまっすぐに見据え、型にはまらない剥き出しの熱量をアピール。無邪気さと芯の強さが同居する独特の佇まいが、まさに「イマジネーションの塊」であるライト役に合致したと評されています。
しかし、抜擢の喜びも束の間、待っていたのは特撮ヒーロー特有の過酷な撮影スケジュールでした。早朝4時起きは日常茶飯事で、真冬の寒風吹きすさぶ採石場でのアクション、爆破シーン、さらには別録りとなるアフレコ(声の吹き替え)作業など、未経験の課題が次々と押し寄せました。
「最初はアフレコで自分の身体の動きと声の感情が一致せず、何度もテイクを重ねて悔し涙を流した」と本人が後年の手記や特番で振り返っている通り、演出陣からの容赦ない指導を受け止めながら、志尊淳は現場で一歩ずつ表現者としての地力を磨き上げていきました。