本作が世界的な支持を集めた最大の要因は、キャラクターの造形美とキャスト陣の魂のぶつかり合いにあります。特に綾野剛演じる辻本拓海と、豊川悦司演じるハリソン山中の歪んだ師弟関係は、視聴者を物語の深淵へと引きずり込みました。
制作関係者の証言によると、綾野剛は役作りにあたり、内面に巨大な虚無を抱える拓海の心理状態を徹底的に構築。相手を射抜くような静謐な視線と、詐欺の現場で見せる完璧なビジネスパーソンとしての佇まいとのギャップを極限まで研ぎ澄ませました。一方で、豊川悦司はハリソンという冷酷無比な捕食者を演じるにあたり、低く響く声音と上品な所作を意識的にコントロールし、「言葉を発するだけで空気が凍りつく」圧倒的なカリスマ性を生み出しています。
さらに、詐欺現場における実務を一手に担うピエール瀧(後藤役)と小池栄子(麗子役)のコンビネーションが、劇中の「騙しのプロセス」に抜群の説得力を与えました。特に本人確認の緊迫した面談シーンにおいて、後藤が放つ「もうええでしょ!」という怒号交じりの揺さぶりは、緊迫した現場の空気を一変させる名シーンとしてSNS上でも大きな反響を呼びました。