現代のレーベル問題を語る上で避けて通れないのが「原盤権(マスター権)」の所有権をめぐるバトルだ。かつてはレーベル側が制作費を全額負担する見返りとして、音源の永久的な権利を所有するのが業界の常識だった。アーティストに支払われるのはわずかなロイヤリティに過ぎなかったのだ。
だが、Taylor Swiftをはじめとするトップアーティストたちの原盤権再録音運動や独立劇を経て、風向きは完全に変わった。現在、20代の若手アーティストたちでさえ「原盤権を譲渡しないライセンス契約」を強く要求する。レーベルはもはや「アーティストを所有する支配者」ではなく、単なる「期間区切りのサービスプロバイダー」へと立ち位置を変えざるを得なくなっている。