冨手麻妙という才能が世に強烈なパンチを喰らわせた原点は、日活が創立100周年事業の一環としてスタートさせた「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の1作『アンチポルノ』にある。
園子温が手がけた同作は、従来のロマンポルノの枠組みを完全に解体し、フェミニズムやアイデンティティの葛藤を色鮮やかな色彩感覚で描き出した異端の傑作だ。主演を務めた冨手麻妙は、全編にわたって圧倒的なエネルギーを放ち、一躍その名を映画ファンに刻み込んだ。従来のポルノ映画に対するカウンターであり、表現者としての産声を上げたこの作品によって、彼女と園監督の絆は決定的なものとなった。