「鏡に映る自分」と「写真に写る自分」のどちらが他人が見ている本当の顔なのか。結論から言えば、他人が日常で感じている印象に近いのは「鏡の中の動く自分」である。
心理学には、見慣れたものに対して好意や安心感を抱く「単純接触効果」がある。人間は日常的に鏡(左右反転した像)で自分を確認しているため、脳内には「左右反転した自分の顔」が標準イメージとして焼き付いている。しかし、他撮り写真は「他人の視点(反転していない像)」で記録されるため、無意識のうちに脳が強烈な違和感を検知するのだ。
さらに、対面コミュニケーションにおいて人間は「声のトーン」「視線の動き」「微笑みの余韻」など、時間軸を伴う膨大な情報から相手の美しさを総合判断している。1秒の数百分の1という極小の一瞬を切り取る写真では、生きた魅力や透明感あふれる雰囲気がそぎ落とされてしまうため、普段の動的な魅力が高い人ほど静止画とのギャップに苦しむことになる。