日本政界の勢力図すら一変させたアクシデントが発生したのは、2016年7月16日午前のことでした。当時71歳、自民党の要である「幹事長」の重責を担っていた谷垣氏は、休日の趣味であるロードバイクでのサイクリング中、東京都千代田区の皇居周辺(千鳥ヶ淵付近)で単独転倒事故を起こしました。
事故原因について、当時は様々な憶測が飛び交いましたが、警視庁の現場検証および関係者の証言により、下り坂での路面ギャップ(凹凸や段差)への進入に伴うハンドル操作の乱れによる前方への投げ出され事故であったことが判明しています。ヘルメットを着用していたものの、前頭部から頭部を強打した衝撃により頸椎骨折および深刻な頸髄損傷を負いました。
直ちに都内の大学病院へ緊急搬送され、頸椎を固定する緊急手術が行われました。生命の危機は脱したものの、神経組織の損傷により四肢麻痺の後遺症が残ることとなりました。当時、第24回参議院議員通常選挙で大勝を収めた直後であり、内閣改造・党役員人事において幹事長留任が確実視されていた矢先の悲劇でした。この事故がなければ、その後の内閣総理大臣候補の筆頭として政局の中心に立ち続けていたことは間違いありません。