蜜入りりんごを手に入れた後、最もやってはならない行為が「暖房の効いたリビングにそのまま放置すること」だ。蜜が入った果実は呼吸作用が非常に活発で、傷みやすさも通常のりんごより格段に早い。常温放置すると、内部の蜜が褐変して腐敗の原因になったり、果肉の水分が抜けて数日で食感が劣化してしまう。
正しい蜜入りりんごの保存方法は、温度管理とエチレン対策の徹底に尽きる。りんごは自らエチレンガスという植物ホルモンを放出しており、裸のまま冷蔵庫へ入れると同居している他の野菜や果物の追熟を早め、傷みを加速させてしまう性質を持つ。
具体的な手順としては、まず乾燥を防ぐために新聞紙やキッチンペーパーで1個ずつ丁寧に包む。その上でポリ袋に入れ、口をしっかりと縛って密閉する。保存場所は冷蔵庫の野菜室、あるいは0度から5度程度に保たれた冷暗所が最適だ。この環境下であれば、果肉の呼吸を最小限に抑え、シャキシャキとした食感を2〜3週間ほど維持できる。
なお、保存期間が長くなると蜜が果肉に吸収されて視覚的に見えなくなる現象が起こるが、糖分が果肉全体に均一に行き渡っただけであり、糖度そのものが失われたわけではない。食べる直前のポイントとして、「冷蔵庫から出して15〜20分ほど常温に置いてから食べる」と、冷えによる舌の感覚麻痺が和らぎ、りんご本来の濃密な甘味と華やかな香りを最大限に堪能できる。