電磁波攻撃の真相と科学的根拠|頭痛の正体とハバナ症候群の闇

電磁波攻撃の真相と科学的根拠|頭痛の正体とハバナ症候群の闇

電磁波攻撃の真相と科学的根拠|頭痛の正体とハバナ症候群の闇に関する主要なデータを詳しく解説いたします。

では、なぜこれほど多くの人々が「電磁波で撃たれている」と錯覚するほどの激しい苦痛を実感するのでしょうか。この問題を語る上で避けて通れないのが、2016年以降にキューバの米大使館職員らが原因不明の脳損傷や耳鳴りを訴えた、いわゆるハバナ症候群の真実です。

当初、米国政府内部でも「ロシアや第三国による指向性エネルギー兵器(DEW)を用いた秘密攻撃ではないか」との疑惑が浮上し、世界的なセンセーションを巻き起こしました。ところが、アメリカ国家情報長官室(ODNI)が情報機関7機関の合同調査を経て公表した包括報告書では、「外国の敵対勢力が指向性エネルギー兵器を使用して米職員を攻撃した可能性は極めて低い(very unlikely)」と正式に結論付けられました。数千件に及ぶ事例の医学的・工学的追跡調査の結果、環境要因、未診断の既存疾患、そして極度の職務ストレスによる神経因性障害が重なった複合的な症候群であることが判明したのです。

また、医学界における電磁波過敏症の診断基準の検証も進んでいます。WHOの公式ファクトシート(No.296)をはじめとする国際的な医学的知見では、患者が訴える電磁波攻撃の症状と頭痛、めまい、慢性疲労といった苦痛の実在そのものは認めているものの、「電磁波曝露と症状との間に因果関係を示す二重盲検試験の証拠は存在しない」と明言されています。二重盲検試験では、被験者に電波が出ていると告げて実際には出ていない状態(プラセボ)にすると強い症状が現れ、逆に高出力の電波を照射していても本人が気づかなければ症状が出ないという結果が再現性を持って証明されています。

これは決して「気のせい」や「嘘」と切り捨てるべき問題ではありません。「電磁波を浴びているかもしれない」という極度の予期不安や心理的緊張が引き金となり、交感神経が異常興奮を起こして脳血管を収縮させ、耐え難い実痛や拍動性耳鳴りを引き起こす「ノセボ効果(心理的要因による有害反応)」というれっきとした身体反応なのです。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。