ネット上の質問掲示板などで頻繁に見られるのが、「『〃』と『々』はどちらも同じ意味の記号なのか」という混同である。結論から述べると、両者は日本語の文法構造上、明確に役割が異なる別個の符号だ。
「々」は直前の漢字1文字を繰り返す「漢字の繰り返し符号」であり、単語の一部として機能する。一方で「〃(ノノ点)」は、文脈上の単語を繰り返すのではなく、「前行(または上段)のセル・記述全体をそのまま踏襲する」という表組み特有の指示記号である。この違いを理解しないまま混同して用いると、文章の意味が破綻してしまう。
日本語で使われる主要な繰り返し符号の系統と役割を比較した以下のデータを確認してほしい。
表からも明らかなように、同じ「踊り字」と呼ばれるグループに属していても、「々」がテキストを形成する正規の文字として扱われるのに対し、「〃」は帳票の視認性向上のために生まれた記号的性格が強い。この立ち位置の違いが、後述するビジネスマナー上の厳格な制限につながっている。