「糖尿病の症状といえばのどの渇きや頻尿」と多くの人が知っているが、これらが顕著に現れるのは実は血糖値がかなり高くなった段階であることが多い。糖尿病予備軍の段階では、こうした典型的な症状すら「あるかないかわからない程度」にしか出ないケースがほとんどだ。だからこそ見逃しが起きやすい。
では、糖尿病予備軍の初期症状として実際に報告されているサインには何があるか。以下のリストで自己チェックしてほしい。
- 以前より疲れやすくなった、午後になると急に眠くなる(食後血糖スパイクが原因)
- のどが渇く感覚が増えた、水分を多く摂るようになった
- トイレに行く回数が増えた(特に夜間)
- 目がかすむ、ピントが合いにくいと感じることがある
- 手足のしびれや、傷が治りにくいと感じる
- 体重が意図せず減少した(または増加傾向が続いている)
- 集中力が続かない、仕事のパフォーマンスが落ちた気がする
これらの症状は単体では「疲れているだけ」「水分不足」と片付けられがちだ。しかし複数が重なっている場合、インスリンの機能低下による血糖値異常が背景にある可能性を真剣に考えるべきだ。
「のどが渇く・疲れやすい」の医学的メカニズムを解説すると、血糖値が上昇すると体はその糖を尿として排出しようとする。その際に大量の水分も一緒に失われるため、のどの渇きが生じる。さらに、インスリンの働きが弱まると細胞がブドウ糖をエネルギーとして取り込めなくなり、エネルギー不足状態に陥って慢性的な倦怠感・疲労感が生まれる。糖尿病予備軍ではこのプロセスが「軽度」に起きているため、症状も曖昧でつかみにくい。
NCGMの糖尿病情報センターの見解によれば、「糖尿病予備群は症状がないから、からだはなんともないの?」という疑問に対し、血管や神経への影響は予備軍の段階から少しずつ始まっている可能性が示唆されている。つまり「症状がない=害がない」ではないのだ。