「小春日和(こはるびより)」の正確な意味は、晩秋から初冬にかけて現れる、まるで春のように暖かく穏やかな晴天のことです。カレンダーの時期で言えば、11月から12月上旬頃の気候を指します。
気象庁の用語定義においても、小春日和は「晩秋から初冬にかけての暖かく穏やかな晴天」と明記されており、春の気象現象としては一切扱われていません。日本列島が移動性高気圧に広く覆われ、風が弱くぽかぽかとした日差しに恵まれる初冬特有の天候パターンを指す専門的な気候用語でもあるのです。
それにもかかわらず、なぜ多くの人が春の言葉だと勘違いしてしまうのでしょうか。最大の要因は、漢字に含まれる「春」の視覚的イメージと、「日和(天気が良いこと)」という心地よい響きにあります。冬の寒さが緩み始める2月下旬から4月にかけての陽気を感じた際、直感的に「小さな春が訪れたような日」と脳内変換して誤用してしまう心理メカニズムが働いています。