自転車ショップの整備現場やフリマアプリの取引相談窓口には、「どうしても自転車の車体番号が見つからない」「どこを探しても刻印らしきものがない」というSOSが日常的に寄せられています。SNSや知恵袋等のコミュニティにおける利用者の実情を分析すると、見失ってしまう原因は主に以下の3つに集約されます。
第一に、「ワイヤーケーシングや泥汚れによる物理的遮蔽」です。特にボトムブラケット下部に刻印があるクロスバイクやロードバイクでは、路面からの泥跳ねとチェーンオイルが混ざり合い、刻印の凹凸が完全に埋没しているケースが多発しています。現場でウエスに中性洗剤やディグリーザーを染み込ませて拭き取ったところ、下から鮮明な英数字が現れる事例は日常茶飯事です。
第二に、「厚塗りペイントによる凹凸の消失」です。格安の輸入軽快車やリペイントされた中古車では、フレーム塗装の塗膜が厚すぎるあまり、プレス刻印の溝が塗料で埋まり、光を正面から当てても平坦に見えてしまう現象が起きます。この場合は、スマートフォンのライトを真上からではなく斜め45度の角度から照射する(斜光照射)ことで、わずかな影の凹凸を浮かび上がらせる手法が効果的です。
第三に、「車体番号シールの剥がれと見落とし」です。近年の低価格シティサイクルや電動アシスト車では、金属刻印を省略してバーコード付きのアルミ蒸着シールのみで車体番号を表示しているモデルが存在します。「自転車の車体番号シールが剥がれた」ことで番号自体が車体から消失してしまい、途方に暮れるユーザーが少なくありません。