モイストヒーリングの最大の利点である「高い密閉性と湿潤環境の維持」は、裏を返せば細菌にとっても極めて増殖しやすい温床になり得るという両刃の剣です。特に、土や砂で汚れた傷、動物に引っかかれた傷などを密閉すると、恐ろしい感染症を誘発します。
少しでも以下のキズパワーパッド感染兆候が確認されたら、ただちに使用を中止し、流水で傷を洗い流した上で医療機関を受診してください。
・赤みの拡大:傷の輪郭を超えて、周囲の皮膚が広範囲に赤く腫れ上がり、熱を持っている。
・拍動性の痛み:時間の経過とともに痛みが引くどころか、心臓の鼓動に合わせて「ズキズキ」とうずくような激痛が増してくる。
・液体の性状変化:白い膨らみではなく、黄色や黄緑色に濁った粘り気のある膿(うみ)が溜まっている。
・強烈な腐敗臭:剥がした際に鼻を突くような腐敗臭が漂う。
・全身症状:怪我をした部位だけでなく、悪寒や微熱、リンパ節の腫れが現れる。
湿潤療法を行っていると、「白く膨らんだゲル」と「細菌感染による膿」の区別がつかなくなる人がいます。健康な浸出液は透明からごく薄い黄色で、嫌な臭いはしません。一方、膿は濁っており、強い異臭と激しい痛みを伴います。「痛みが強くなっている」と感じた時点で、それは治癒のプロセスではなく、感染との戦いが始まっている明確な警告サインです。