栃錦と初代若乃花は、通算で34回対戦し、19勝15敗(栃錦リード)と拮抗した戦績を残しました。対照的な相撲スタイルと気質を持ちながら、土俵外ではお互いを深くリスペクトし合う無二の戦友でもありました。ふたりの関係性が頂点に達したのが、1960年(昭和35年)3月場所の千秋楽です。
この場所、栃錦と若乃花はともに初日から14連勝を記録。大相撲の長い歴史上、「初日から14戦全勝同士の横綱が千秋楽に対戦する」という史上初の歴史的頂上決戦が実現しました。日本中が固唾をのんで見守る中、緊迫した大熱戦の末に若乃花が寄り倒しで勝利。敗れた栃錦も全力を出し切った爽快な表情を見せ、この一番は昭和相撲史に燦然と輝く「世紀の名勝負」として語り継がれています。