今出川通沿いに並ぶ古書店街もまた、独自の進化を遂げている。電子書籍や生成AIが日常に溶け込んだ2026年において、紙の古書が持つ物理的なプレゼンスはかえって増しているようだ。
専門書を扱う古書店の棚には、数学の原著から昭和初期のサブカルチャー雑誌、東洋学の貴重な文献までが所狭しと並ぶ。店主によると、近年はアジア圏や欧米からの研究者やコレクターが、目当ての本を探しに直接訪れるケースが急増しているという。
「デジタル化されていない知識は山ほどある。ここに並ぶ本は、検索アルゴリズムが提示してくれない偶然の発見を与えてくれるんです」。ある洋書専門店の店主はそう指摘する。知識の海を泳ぐような体験が、知的な刺激を求める人々を引き寄せて離さない。