ファンの熱量が極めて高い三大ジャンプ作品を題材に、具体的な再現技法を分解していく。それぞれの作品が持つ作画の特徴を捉え、どのパーツを犠牲にしてどの特徴を強調すべきかという優先順位のつけ方が鍵を握る。
まず『鬼滅の刃』の竈門炭治郎において最大の難関となるのが「額の痣(あざ)」の表現だ。トモコレには痣専用のパーツが存在しないため、多くの職人は「ほくろ」を最大化して眉間近くに寄せるか、特徴的な形の眉毛を額の上部へ極端に移動させる手法を取る。一方、煉獄杏寿郎のような特徴的な太眉と見開いた眼孔を持つキャラは、眉毛パーツで目の上縁のフレームを構築し、本来の「目」パーツは瞳の輝きだけを担当させるという二重構造を取ることで、あの圧倒的な眼力を再現できる。
『呪術廻戦』の五条悟に関しては、目隠し(アイマスク)バージョンと素顔バージョンで全く別のアプローチが必要だ。アイマスク姿を作る場合、サングラスパーツを使用するのが定石だが、より布の質感を出すために「極太の眉毛を中央で密着させ、目の位置を覆い隠す」という奇策を用いる上級者も存在する。素顔の場合は、色素の薄い青い瞳と長いまつ毛を表現するため、女性用として用意されている切れ長な目元パーツと細眉を組み合わせる繊細な調整が求められる。
『ワンピース』のキャラクター群は、デフォルメと骨格の誇張が激しいため、輪郭の選択が命運を分ける。モンキー・D・ルフィのトレードマークである「目の下の傷」は、頬のしわパーツや小さくした眉毛を左目の直下に精密に配置することで表現可能だ。ロロノア・ゾロの左目の傷も同様に、縦に回転させた傷跡風パーツを見立てる技術が使われる。