病棟での療養生活は、徹底した規則正しい生活リズムの再獲得を目的として設計されています。自律神経と生活リズムが大きく乱れた状態から心身を立て直すため、分刻みではないものの、一定のバイオリズムに沿ったスケジュールが組まれます。
現場のうつ病入院における標準的な生活スケジュールは、おおむね以下の流れで進行します。
- 07:00 起床・洗面・検温:看護師によるバイタルチェックと簡単な問診。睡眠の質や気分の波を記録します。
- 07:30 朝食・服薬:規則正しい食事と確実な服薬管理が行われます。
- 09:00〜11:30 自由時間・主治医の回診・作業療法(OT):午前中は軽めのストレッチ、塗り絵、音楽療法などのリハビリプログラムが用意されており、本人の体調に合わせて無理のない範囲で参加します。
- 12:00 昼食・服薬
- 13:30〜15:00 休息・診察・カウンセリング:公認心理師による心理面接や、主治医による病状評価が行われます。
- 16:00 入浴・シャワー:混雑を避けるため時間帯ごとの予約制が一般的です。
- 18:00 夕食・服薬
- 19:00〜21:00 リラックスタイム・談話:読書や軽作業、デイルームでの休息など、刺激の少ない静かな時間を過ごします。
- 21:00〜22:00 消灯・就眠:病棟内が減光され、睡眠薬の調整を受けながら十分な休息を確保します。
入院初期の急性期には、「何もしないこと」そのものが最大の治療となります。焦りや罪悪感から活動しようとする患者に対し、医療スタッフは徹底して休息を促します。エネルギーが徐々に充電されるにつれて、散歩や作業療法への参加意欲が自然と湧き上がるのを待つアプローチが取られます。