だが、実際に不動産市場に出回る「奇妙な部屋」はすべて犯罪やミステリーに直結しているのだろうか。
ベテランの一級建築士はこう明かす。「結論から言えば、99%は施工上の都合や法規制、あるいは施主の極端なこだわりによるものです。例えば、構造上どうしても外せなかった耐震柱の周りを壁で囲った結果、図面上は『開かない謎の空間』に見えてしまうケースは珍しくありません」。
あるいは、かつて店舗や事務所として使われていた物件を居住用に無理やり改装した結果、廊下の途中に突然洗面台が現れたり、行き止まりの隠し部屋のような収納が生まれたりもする。現場の理屈を知れば納得のいく理由が大半だが、説明なしに図面だけを見せられれば、誰しも背筋が寒くなるようなストーリーを想像してしまうものだ。