ネット上の言論やSNSでは時に、「大人の友達が少ない人は性格に難がある」「人脈が広い人ほど社会的に成功している」といったステレオタイプが流布されがちです。しかし、取材現場や心理カウンセリングの観点から見れば、これは極めて危険な錯覚です。
むしろ観察される友達少ない大人の特徴として顕著なのは、「他人に無駄な同調をしない自立心」「感情の自己完結能力の高さ」「一人の時間を生産的・創造的に楽しめる傾向」です。誰かと常に繋がっていないと自己肯定感を保てない人ほど、見せかけの友人関係を大量に抱え込み、他人のSNS投稿に一喜一憂して疲弊しています。
ここで重要なのは、意識的に連絡先を削除するような過度な人間関係の断捨離と、時間の経過による健全な自然淘汰は異なるという点です。近年流行した「不要な友人を自分からバッサリ切る」という極端な行動は、相手に遺恨を残したり、後に自己嫌悪に陥ったりするリスクを孕んでいます。大人の成熟とは、白黒をつけて関係を断ち切ることではなく、「今は距離を置く時期なのだ」と穏やかに受け流し、曖昧さを許容する心のゆとりを持つことにほかなりません。